外構工事の基本といわれる「土間打ち」とは
外構工事では定番となっている土間打ち。耐久性も高く雑草対策にもなり、おしゃれに仕上げることもできるので、外構業者に依頼を検討している方も多いのではないでしょうか。実際に土間打ちとはどういった構造で、どのような手順で作業されるのでしょうか。この記事では土間打ちのメリットや土間打ちの構造、施行手順について紹介しています。
土間打ちとは
土間打ちとは地面をコンクリートで平坦に塗装する施行方法のことで、玄関前のアプローチや駐車スペースでよく用いられる方法です。
色が白か薄い灰色のため少し地味な仕上がりに見えますが、ハケを使って模様を入れたり、目地を利用しておしゃれに仕上げたりできるため、とても人気のある施工方法です。土間打ちが人気な理由は、デザイン性以外にもたくさんあります。
耐久性の高さ
コンクリートで固めるため、車などの重量物にも耐えることができます。アスファルトよりも耐久性は高く、30年経過しても異常はみられないという例も報告されています。よほど大きな地震が起きない限り、長く状態が維持されるので安心です。
手入れのしやすさ
土間打ちは土が露出している部分がないため雑草が生えないので、雑草対策としても優れています。砂利や芝であれば隙間から雑草が生えてくるので、定期的に手入れが必要になります。
また、コンクリートは埃も舞いにくく、汚れも簡単に落ちることから、掃除がとても簡単です。さらに、コンクリートには虫が寄り付かず、野良猫も糞をしにくいため、衛生的にもよいでしょう。
汚れない
雨が降ったあとは泥で衣類や車が汚れてしまうことがあります。土間打ちでは靴も汚れることがないので、玄関が泥だらけになる心配もありません。
土間打ちは3層構造が基本
土間打ちは「地面・砕石・コンクリート」の3層構造になっています。コンクリートの中にメッシュ筋という網目状に溶接された金網を入れることで、ひび割れを防止し、コンクリートの強度を上げる効果があります。
地面
地面はコンクリートの下地にあたる部分です。地面に木や雑草が生えている場合は先に取り除きます。木や雑草を除去せずに土間打ちを施行すると、隙間から雑草が生えてきたり、木の幹によってコンクリートにひびが入ったりしますので、きれいに取り除いていきます。
また、上の層に砕石とコンクリートを入れると高さが出てしまうため、地面を削る必要があります。
砕石
砕石とは天然の石を細かく砕いたものになります。基本的に砕石はコンクリートと同じ厚さになるようにします。標準的な厚さは砕石が100ミリ、コンクリートが100ミリになります。
コンクリート
コンクリートはセメントと水、砂、砂利を混ぜ合わせたものです。厚みは施行箇所や使用用途によって異なりますが、80〜150mmほどの厚みが必要になります。
玄関前などの重たいものが乗らない場所であれば80〜100mm、駐車場として使用するなどであれば、100〜150mmほどの厚みが必要になります。また、重量に耐えるために、コンクリートの中に鉄筋を入れて強度を高めます。
土間打ちの施工手順とは
土間打ちを施行するには以下の7つの手順があります。
土を掘削
周囲の高さと合わせるために、砕石とコンクリートの厚さ分、土の表面をショベルカーやスコップを使って掘ってきます。掘った土は、指定の処分場で適切な方法で廃棄します。
砕石敷き
コンクリートが沈下しないように、また施行面をきれいな平坦にするために、砕石を土の上に敷き詰めます。道具を使って均一な平坦にしていきます。
砕石を固める
コンクリートの重さで砕石が沈まないように、機械を使って砕石を固めていきます。しっかり押し固めることで地盤沈下を防ぐこともできます。
型枠を設置
土間打ちをする形に型を設置します。型枠にはコンパネと呼ばれる板を使用し、曲線を作ることも可能です。
ワイヤーメッシュを設置
コンクリートの強度を上げるために溶接された金網を張り巡らせます。均一の高さに設置するために、コンクリートブロックを使って高さを調整します。
コンクリートを流し込む
施行場所や天候に合わせた配合でコンクリートを作ったら、型枠内に流し込みます。コンクリートミキサー車やトラックなどを使ってコンクリートを流し込んでいきます。
表面仕上げ
コンクリートが完全に乾ききる前に、ハケやコテなどを使って表面を仕上げていきます。天候やコンクリートの種類にもよりますが、乾ききるまでに2、3日かかり、完全にコンクリートの強度が出るまでにはさらに日数が必要です。
本記事では土間打ちのメリットや構造、施行手順について紹介しました。土間打ちは手入れも簡単で耐久性が高いので、外構工事の中でもとても人気があります。基本的な構造や作業手順を知ることで、外構業者がどのような作業をするのかがわかり、トラブル回避にも役立ちます。工事には費用もかかるので、安心して任せられる業者を探し依頼するようにしましょう。土間打ちを活用して素敵な外構作りを楽しんでください。